合流でイライラしたことはありませんか?
朝の高速道路、合流地点で車が詰まる。「なんで譲ってくれないんだ」「急いでいるのに…」そんな気持ちになったことは、運送業界で働くあなたなら何度も経験しているはずです。
私もつい最近まで、合流のたびにイライラしていました。配送時間は迫っているし、相手は譲ってくれない。焦りと怒りで、ハンドルを握る手にも力が入ってしまう。そんな毎日でした。
でも、ある言葉に出会ってから、私の運転が変わりました。それが、聖徳太子の「和を以て貴しとなす」という教えです。
聖徳太子「和を以て貴しとなす」とは何か

「和を以て貴しとなす」は、聖徳太子が604年に制定した十七条憲法の第一条に記された言葉です。今から約1400年前、飛鳥時代に生まれたこの教えは、「争わず、譲り合い、調和をもって世を治めよ」という意味を持ちます。
多くの人は、この言葉を「仲良くすることが大切」という単純な意味だと理解しています。確かにそれも正しいのですが、実はもっと深い意味があるんです。
十七条憲法の第十七条には、「大事なことは一人で決めず、みんなで議論して決めなさい」と書かれています。つまり、「和を以て貴しとなす」は、ただ表面的に合わせるのではなく、本当の意味で対話し、理解し合い、協調することの大切さを説いているのです。
運輸業界で活きる「和の心」
では、この1400年前の教えが、現代の運輸業界でどう活きるのでしょうか。
合流で譲ることの本当の意味

あなたは毎日、何度も合流地点を通過しているはずです。そのたびに、「先に行くか、譲るか」の判断を迫られます。多くのドライバーは「自分が先に行く」ことを選びますが、実はこれが渋滞を生む原因なんです。
一方で、たった一人が「どうぞ」と譲るだけで、流れが変わります。その譲り合いが連鎖して、あなたの後ろを走る10台、20台の車両がスムーズに進めるようになるのです。
譲ることで得られる予想外のメリット

ここで、あなたに驚きの事実をお伝えします。私は先月、合流で積極的に譲るようになってから、配送時間が平均5分短縮したんです。
「え、譲ったら遅くなるんじゃないの?」と思いますよね。私も最初はそう思っていました。でも、違うんです。
譲ることで、無駄な急ブレーキが減りました。イライラが減って、運転が滑らかになりました。そして何より、心に余裕が生まれたことで、全体の運転効率が上がったのです。燃費も、以前より約10%改善しました。
和の心は「強さ」である

「和を以て貴しとなす」と聞くと、優しさや柔らかさをイメージするかもしれません。でも、実は違います。和の心は、「強さ」なんです。
怒りを抑える強さ。焦っても冷静でいる強さ。自分が譲る勇気。これらはすべて、簡単にできることではありません。誰もが急いでいるし、誰もがストレスを抱えています。そんな中で、相手を思いやり、譲ることができるのは、本当に強い人だけです。
聖徳太子の「和を以て貴しとなす」は、単なる精神論ではありません。それは、自分自身を守り、周りの人々も守る、実践的な知恵なのです。
和の運転を実践する3つのステップ

では、あなたも明日から「和の運転」を実践してみませんか。以下の3つのステップを意識するだけで、運転が大きく変わります。
ステップ1:朝、ハンドルを握る前に深呼吸
運転を始める前に、深呼吸をして心を落ち着けましょう。「今日も安全に、和の心でハンドルを握る」と心の中で唱えるだけで、気持ちが変わります。
ステップ2:合流では「先に行きたい」気持ちを一旦手放す
合流地点に差し掛かったら、「自分が先に行く」という気持ちを一旦手放してみてください。相手の車を一台入れてあげる。それだけで、あなたの心に余裕が生まれます。
ステップ3:相手に感謝の気持ちを持つ
譲ってもらった時も、譲った時も、「ありがとう」と心の中で言ってみましょう。その感謝の気持ちが、あなたの運転をより穏やかにします。
AIが進化しても、ハンドルを握るのは人間

現代の物流業界では、AIやシステムの進化が目覚ましいです。配送ルートの最適化、自動運転技術の研究、ドローン配送など、技術はどんどん進化しています。
でも、忘れてはいけません。最終的にハンドルを握るのは、人間なんです。どんなにシステムが進化しても、人と人との「和」がなければ、道は平和になりません。
あなたが今日、一台の車を譲る。その小さな行動が、後ろを走る誰かの笑顔に変わります。そしてその笑顔が、また次の誰かに伝わっていく。それが、「和を以て貴しとなす」の真の意味なのです。
まとめ:今日から始める「和のハンドル」

聖徳太子の「和を以て貴しとなす」という教えは、1400年の時を超えて、今も私たちに大切なことを教えてくれます。
合流も、チームも、人生も——すべては、譲り合いから始まります。
あなたが今日、ハンドルを握る時。少しだけ、この言葉を思い出してください。そして、一台の車を譲ってみてください。その小さな行動が、あなたの運転を、そして心を変えていきます。
今日も、「和のハンドル」で、安全運転を。
次回予告

次回の運輸業界あるあるシリーズは、福沢諭吉「学びて走る者、止まらず」をお届けします。
学び続けるドライバーだけが生き残る時代。変化の激しい物流業界で、どのように学び、成長し続けるのか。福沢諭吉の「学問のすすめ」から学ぶ、現場で活きる学びの哲学をお伝えします。
どうぞお楽しみに!


