AIが仕事を奪う。そんな言葉を、ここ数年で何度も聞くようになりました。
自動化。最適化。効率化。ニュースを見ていると、「人間の判断」はどこまで残るのだろうと、ふと不安になります。
現場で長く働いてきた人ほど、その問いは他人事ではないはずです。
私も、同じことを考えてきました。
AIは、何が得意なのか
まず落ち着いて整理してみます。AIが得意なのは、
- 大量のデータ処理
- パターンの抽出
- 最適解の提示
過去の情報が揃っている領域では、とても強い。
物流の世界でも、配送ルートの最適化や在庫予測など、すでにAIが活躍している場面は増えています。
ここまでは事実です。そしてそれは、悪いことではありません。
では、「現場の判断」とは何か
ただ、現場で働いていると、数字だけでは割り切れない瞬間があります。
突然の天候変化。取引先の微妙な空気。体調や疲労感。マニュアル通りにいかない場面。
そこでは「正解」ではなく、その場で整える力が求められます。
その判断は、過去データから導き出された最適解とは少し違う。少し揺らいでいる。
でも、その揺らぎが現場を支えています。
数値で測れないもの
たとえばアニメ作品で、数値が人を評価する社会が描かれることがあります。
数値は便利です。でも物語を動かすのは、数値では測れない葛藤や選択です。
現実も、少し似ています。AIが示す「正しさ」は強い。けれど、現場にはまだ測れない感覚が残っている。
その感覚を、すぐに「非効率」と切り捨てていいのか。私たちは、まだ考え続けています。
無常という視点
ここで思い出すのが「無常」という考え方です。
無常とは、すべてが変わり続けるということ。仕事も役割も、固定はできません。
だから「消えるか、消えないか」という問い自体が、少しだけ単純すぎるのかもしれません。
消えるのではなく、形が変わる。判断がなくなるのではなく、求められる質が変わる。
そう考えると、焦りは少しだけ静まります。
AI時代に残るもの
AIが進化しても、
- 責任を引き受けること
- 状況を読み取ること
- 揺らぎの中で決めること
これらは、簡単には自動化できません。
むしろAIが広がるほど、「最後に決める人間の姿勢」が、よりはっきり見えるようになるのかもしれません。
消えない。ただ、整え直される
現場の判断は、完全には消えない。けれど、今までと同じ形では残らない。
それは少し不安でもあり、少し可能性でもあります。
AIと対立するのではなく、AIの示す最適解を受け取りながら、その先を整える。
そんな役割に、私たちは移っていくのかもしれません。
変わるのが前提の時代で、何を軸に走るのか。
あなたの現場では、どんな判断が、今も静かに残っていますか。


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