Chapter 2|流れの中で経営するということ
諸行無常という“当たり前”を、
組織はいつ忘れてしまうのか
「今期の数字」「前年対比」「成長曲線」。経営にとって数字が大切なのは、現場にいる私たちも分かっています。
ただ一つだけ、現場から“静かに”お伝えしたい前提があります。
数字は止まっていますが、現実は止まっていません。
祇園精舎の鐘の声が、今も鳴っている理由
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」——平家物語の有名な一文です。
難しい言葉に見えますが、意味はシンプルです。
世の中のことは、全部ちょっとずつ変わっていく。 それが“当たり前”だ、という話です。
強い組織も、絶対に見えた仕組みも、「同じまま」でいられません。
だからこそ本当は、経営ほどこの言葉を味方にしたほうがいい。——私はそう思っています。
数字は「固定」できる。だけど現場は固定できない
売上、利益率、KPI、計画値。これは全部情報です。
情報は、表にして並べると“止まったように”見えます。
でも物流の現場は、毎日ちがう。
- 天候が変わる
- 道路事情が変わる
- 荷量や荷姿が変わる
- 人の体調や判断が変わる
- 取引先の段取りが変わる
ここで大事なのは、変化=怠慢ではないということ。
変化は、現実の呼吸みたいなものです。止めたら、むしろ苦しくなる。
“変わらない前提”が強くなるほど、組織は折れやすくなる
組織がうまく回っている時ほど、こういう空気が増えます。
「去年もできた」
「数字は合ってる」
「手順は正しい」
「だから、現場も大丈夫なはず」
だけど、現場で起きる“違和感”は、数字に出ないことが多い。
そして違和感は、放っておくと静かに積み上がって、ある日まとめて「問題」になります。
だから私は、経営の方にこそ伝えたい。
「現場を見ろ」じゃなくて、「現場が“変わる前提”で設計してほしい」と。
アニメが描く「気づけなかった側」の時間
この感覚を、静かに突いてくる作品があります。
『葬送のフリーレン』です。
変わらない存在だった主人公が、後になって気づく。
人は変わる。関係も変わる。なのに、気づくのはいつも遅れてから。
これはフィクションだけど、組織でもまったく同じことが起きます。
視聴メモ(配信状況は変動します)
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🎯まとめ|諸行無常は“弱さ”じゃなく、備えるための知恵
- 世の中は変わる。組織も変わる(だからこそ設計が要る)
- 数字は止まるが、現場は流れる(止まらない前提が危ない)
- 違和感は数字に出にくい(出たときは“手遅れ手前”)
祇園精舎の鐘の音は、過去の話ではありません。
今日もどこかで、静かに鳴り続けています。
次に自然につながる導線(予告)
「変わるのが当たり前」だと分かった次に、現実の社会で一番怖いのは何か。
——それは、“流れが止まること”です。
次章では『方丈記』の言葉から、物流が止まると何が起きるかを、現場の視点で整理します。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。
あなたの職場に、小さな変化が訪れますように。
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