運送の現場で36年、トラックに乗ってきました。今は荷受けの現場にも立っています。
Thank you for reading this post, don't forget to subscribe!荷下ろし、荷積み、荷造り、パレタイズ、仕分け。現場では「一言」で済ませてしまいがちですが、話し合いになると「どこまでが運送で、どこからが別の作業なのか」が曖昧なままのことが多いと感じています。この記事では、私が現場で見てきた場面をいくつか挙げて、何が曖昧になりやすいのかを書いてみます。
場面1:到着してから荷下ろしが始まるまでの待ち時間
過去の経験では、到着時刻を決めて予約を入れるやり方ではなく、現地に着いた順番で荷下ろしや荷積みを待つスタイルが基本でした。
たとえば営業倉庫(冷蔵倉庫)で、夜中に現地へ入って出庫の手続きを済ませ、朝一番の順番にしてもらったとします。それでも実際に呼ばれるのは、相手側の始業時間から2時間ほど待ってから、ということがありました。さらに出庫そのものにも、物量によりますが2〜3時間ほどかかります。これは当時の毎回の様子で、現在の状況は私にもわかりません。
この待ち時間と作業時間が、運送の仕事のなかに含まれるのか、別に考えるのか。書面にしないまま続いてきた現場ほど、見えにくいところだと思います。
場面2:荷台からの距離があいまいになるとき
荷台のすぐ目の前に置けば済む場合は、あまり問題になりません。難しいのは、指示された庫内の特定の場所まで運び入れる場合や、先入れ先出しのために荷物を入れ替える場合です。チェーン店の店舗の冷蔵庫に商品を詰め込む作業も、似た例かもしれません。
わかりやすい例えでは、引っ越しがあります。車が入れない細い路地の奥から家財道具を運ぶような場合です。個人のお客様(BtoC)の場合も多く、「どこまで」を一言で言い表すのはなかなか難しいと感じます。大手の運送会社では、助手や作業補助の人を付けることもあるようですが、その分を含めた送料込みの提示が多いように見受けられます。
場面3:荷受けの現場に立って変わった見え方
ほとんどのドライバーは、搬入や搬出のときに荷役機器を使って、所定の場所まで自分で運ぶことを、今でも当然のように行っています。
ところが荷受けの現場に入ってみると、荷物を扱う人が主導する形になるので、荷主側から強く指示を出しにくいことがわかりました。主導権が相手に移った時点で、自分たちのペースが乱れてしまいます。荷主側の現場作業員の方も、主導権が相手にあることで作業がしづらくなる場合がほとんどです。
今の私は、できるだけ自分自身で荷受けや出庫をするようにしています。そうすると、モノの流れがつかみやすくなって、事がスムーズに運びます。
場面4:昔は当たり前だったこと
最近は、社名に「ロジスティクス」を取り入れる会社も増えています。一方で「運送」や「トランスポート」という昔からの考え方のままで、荷役サービスを当然のものと考えている会社も、まだあるように思います。
時代の流れも、モノの流れも、方丈記にある「ゆく川の流れは絶えずして」のようなものなのでしょう。同じ考え方のままではいけない、ということなのだと感じています。
まず書き出してみる3つのこと
- どの作業をしているか:荷下ろし、荷積み、仕分け、検品、パレットへの積み替えなどを、1つずつ分けて書き出します。
- どこでしているか:荷台の中なのか、荷台から指定の場所までなのか、指定の場所の中なのかを分けて書きます。
- どれくらいかかっているか:待ち時間も含めて、1回あたりの目安の時間を、ざっくりで構わないので書き留めます。
自社の作業を数字で見えるようにしておくと、荷主さんとの話し合いや、書面の内容を考えるときの土台になります。
棚卸しシートを用意しました
この書き出しをそのまま進められるように、作業棚卸しシートと考え方をまとめたガイド(PDF・9ページ)を作りました。
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ご注意ください
この記事は法的なアドバイスではなく、筆者の現場での経験と見方です。過去の経験を含むため、現在の状況とは異なる場合があります。法律の解釈は一つとは限りません。個別の判断は、管轄の運輸支局や専門家にご相談ください。


