「その場では話がついていたのに、会社に戻って報告したら、『そんな話は聞いていない』『それは言い訳だろう』と言われた」。運送や倉庫の現場にいると、そんな場面があります。
Thank you for reading this post, don't forget to subscribe!運送業36年以上。もとは大型車両のドライバーで、現在は荷主側(メーカーの入出荷の現場)で荷受けや雑務を担当している私は、こうした「水掛け論」は、その場にいた人と、いなかった人のあいだで、材料が違うから起きやすいと考えています。その場にいなかった人は、起きたことを直接確認できません。判断の材料は、話してくれた人の「言葉」だけになります。
その場で使える「確認の一言」
- 「念のため確認ですが、〇〇を、△時までに、でよろしいですか。」(復唱)
- 「今の件、あとで私からメールで確認してもよろしいですか。」
- 「その作業は、今日の依頼の範囲に含まれますか。」
帰社後に説明するより、その場で一言確認したほうが、ずっと軽くすみます。相手を疑っているようには聞こえにくく、あとで「言った・言わない」になるのを減らしてくれます。
帰社後の報告の型「4つの順番」
- ①事実:いつ、どこで、何があったか
- ②相手の言葉:相手が言ったことを、そのまま
- ③自分の対応:自分が、どう返し、どうしたか
- ④確認したいこと:上に判断してほしいことを、ひとつ
「でも、向こうが勝手に言ってきたんです」と言いたくなる気持ちは、自然です。ただ、そのまま言葉にすると、聞く側には「責任逃れ」に聞こえやすくなります。「〇時に、〇〇(役職)から『〇〇』と言われました。私は『〇〇』と返しました」。事実と相手の言葉と自分の対応を並べて、判断は、聞く人にゆだねる。そのほうが、結果的に信じてもらいやすいと、私は考えています。
話せないときは、書面に残す
話しても止められる、どうせ言い訳と思われる。そう感じて話せない人にも、できることがあります。日報などの書面に、日付、時刻、相手の言葉、自分の対応を、事実だけ残すことです。何も残さないよりは、あとで状況を説明するときも、外部の窓口に相談するときも、材料になりうると考えています(ただし、日報の法的な扱いは書類や状況によって異なり、書面を残しても状況が必ず改善するとは限りません)。
会社の側にいる人へ
報告が「言い訳」に聞こえてしまうときは、報告する人の問題だけではないかもしれません。報告を最初から疑うのではなく、まず、事実と記録を見せてもらうところから始めていただけないでしょうか。迷ったときは、「動機善なりや、私心なかりしか」。経営者の稲盛和夫さんの言葉として知られる問いです。目の前の人を、名前のある「ひとりの人」として見られるか。そこから、人間関係と安全配慮義務を果たそうとする気持ちが生まれると、私は考えています。
この考え方を、1冊にまとめました
確認の一言、4つの順番、場面別の断り方(想定例5場面)、話せないときの別ルート、アドベンチャーゲームのように返し方を選んでたどる「会話の分岐シナリオ」(3場面)、日報の書き出しテンプレートと記入シートを、PDF(22ページ)にまとめています。復唱がしづらい方のための「復唱しない型」も入れています。
▼ 本書(PDF・22ページ/1,480円)はこちらです。 BOOTHで見る:水掛け論にしない断り方 ▼ 無料の紹介記事(note)はこちらです。 noteで読む:「それは言い訳だろう」と言われないために
※この記事は、現場での経験をもとに筆者が考えたものです。法律上の助言ではありません。個別の判断が必要なときは、社会保険労務士や弁護士などの専門家、または労働基準監督署の総合労働相談コーナーなどにご相談ください。

