「現場の状況を説明しているのに、上司に伝わらない」。運送や倉庫の現場にいると、そう感じる場面があります。人が足りない、待ち時間が長い、ルールが現場に合わない。どれも大切な話なのに、「頑張れ」で終わってしまう。
Thank you for reading this post, don't forget to subscribe!運送業36年以上。もとは大型車両のドライバーで、現在は荷主側(メーカーの入出荷の現場)で荷受けや雑務を担当している私は、伝わらない原因の多くは、話している人の熱意や正しさではなく、相手が見ているものと、こちらが見ているものが、違うことにあると考えています。
現場と管理部門は、見ているものが違います
- 現場が見ているもの:待ち時間、作業の中断、ヒヤリとした経験、「無理です」「きついです」
- 経理・本社・管理部門が見ているもの:人件費、稼働率、事故の件数、報告書、責任の所在、「いつから」「いくら」「誰が」
どちらが正しい、という話ではありません。見ているものが違うだけです。だから、現場の状況を、相手が受け取りやすい言葉に「翻訳」する必要があります。
伝え方の型「4つの箱」
- ①起きていること:いつ、どこで、何が起きているか(事実)
- ②影響:時間・費用・安全に、どんな影響が出ているか
- ③お願い:こうしてほしい、をひとつだけ
- ④確認:いつまでに、どの形で返事をもらうか
たとえば、「最近、待たされることが多いんです」ではなく、「この1か月、昼の時間帯に週3回、1回約20分の待ちが出ています。配置の見直しを検討していただけませんか。来週中に、メールで教えてください」。数字にするだけで、経理も管理部門も、頭の中で計算できます。
やってはいけないこと
- 「いつも」「全然」「誰も」など、大きな言葉を使う
- 人の名前を出して、責める
- お願いをいくつも並べる
会社の側にいる人へ
現場から上がってくる声は、現場からの贈り物だと私は考えています。聞いてもらえないと感じた人は、次第に話すことをやめます。話さなくなった現場では、問題は見えなくなるだけで、なくなりません。年に何度か、現場に足を運んでください。迷ったときは、「動機善なりや、私心なかりしか」。経営者の稲盛和夫さんの言葉として知られる問いです。目の前の人を、名前のある「ひとりの人」として見られるか。そこから、人間関係と安全配慮義務を果たそうとする気持ちが生まれると、私は考えています。
この考え方を、1冊にまとめました
4つの箱、数字と記録の準備、場面別の言い方(想定例5場面)、アドベンチャーゲームのように返し方を選んでたどる「会話の分岐シナリオ」(3場面)、自分の言葉に直すレシピ、日報などの書面に事実を残すための書き出しテンプレートと例、記入シートを、PDF(20ページ)にまとめています。聞いてもらえる場合だけでなく、「頑張れ」で止められる場合や、最初から話さないと決めている場合の別ルートも、図で整理しています。仲間の声を上に届ける立場(班長・リーダー・先輩・中間管理職)の方に、特に使っていただけると考えています。
BOOTH(PDF・980円):https://tomossy3.booth.pm/items/8987599
note(無料の紹介記事):https://note.com/tomossy3/n/n02b59e26f769
※この記事は、現場での経験をもとに筆者が考えたものです。法律上の助言ではありません。個別の判断が必要なときは、社会保険労務士や弁護士などの専門家、または労働基準監督署の総合労働相談コーナーなどにご相談ください。
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